前回、前々回やってきたこと。
現時点で高磁力化の恩恵はあまり見えません。
モーターの出自そのものが重要的な。
やっぱりある程度以上、少なくとも1500万回転はさせないとピーク近くには持って行けない。
時間を短く、そして回転数を上げる。
となると最後は電圧です。
まず、モーターを低電圧で慣らす理由は、
- スパークを少なくし焼損を抑える
- 軸受け部分の劣化防止
- 熱ダレを防ぐ
の3つ。
上2つは置いておいてw
熱ダレを考えます。
そもそも熱ダレってなんぞや?
モーターの中には磁石が入っています。
フェライト磁石、一般的な黒い磁石です。
磁石は熱を持つと磁力が下がります。
フェライト磁石だと50度で10%くらい落ちます。
よく連続で走らせるといきなりトルクなくなって走らなくなることがあると思うのですが、これが原因、熱ダレです。
ただキュリー点というものがあって。
磁石には磁力が熱で消えてしまう限界点があって、これをキュリー点といいます。
フェライト磁石は400度以上です。
ミニ四駆のモーター程度でここまで行くことはまずないですw
その前にプラパーツが溶ける(^^;
逆を言えば、キュリー点に到達しない限り、磁力は冷やせば元に戻るんです。
なので熱ダレだ!もうダメだ!ではありません。
ただ慣らす時、熱ダレが起こると…回転数が不安定になり、トルクも抜けて安定した慣らしが出来ないのです。
なので低い電圧で温度を上げずに慣らす、これが方法論として一般化してるんです。
前置き長くなりましたがw
ネオジム磁石で磁力を上げる意味はここにあります。
内部のフェライト磁石が熱ダレで減磁しても、ネオジム磁石の磁力で補えるんです。
ほんとはモーターとの間に少し隙間作って、熱が移らないようにしたほうがいいのですが。
(ちなみにネオジム磁石はかなり熱に強い磁石で、100度で10%落ちるくらい)
つまり、「高磁力化で熱ダレしても安定したモーター慣らしが出来ます」です。
ということで今回の検証は4Vで6時間、開けポン4Vで40000rpmくらいなので、
40000x60x6=14400000
慣らし中に回転数上がるので、約1500万回転くらいになると思います。
結果がこれ。
わかりますかね、こんな隙間から内部のカーボン削りカスが飛び散ってるw
相当な負荷だったのかと。
削った直後はかなり熱かったです。
冷房の効いた部屋+扇風機での冷却ですのでまぁ御の字くらいか。
燃えるほどにならなくてよかったw
さわれないほどじゃなく、40~50度くらいかな。
熱に強いとはいえやっぱりネオジム磁石の減磁を防ぐため、離す治具はあったほうがいいかも。
もしくは冷却用のファンを付けるか。
冷やした後、指で回してみても慣らす前と同じくらいの抵抗感はあり、それでいてゴリゴリ感は少しなくなってる。
洗浄、注油、接点復活させて回転数を測ると。
…30500か。
しかしこのやり方、ものすごく異音が鳴る。
慣らしてる最中から音が酷いんだけど、慣らしたあとも変な音がする。
回転数はそこそこ出るけど、これじゃちょっと難しいかも。
次回はこの辺りを考えていきたいと思います。
ではでは。