その210で説明したマスダンの動く仕組み。
その224のヒクオの話も、なぜマスダンが上方向に動くのかを端折って説明してなかったです。
なぜかと言うと「難しく面倒い話」だからw
とはいえ、その224で質問もいただきましたし、ここまで書いたので説明しちゃいます。
合わせて、リフターがあるとなぜヒクオが開きやすいか、なども説明します。
等価原理:
無重力(宇宙で浮いてるなど)と自由落下中は同じ状態
区分けできないので、重力がある場所での無重力状態を「無重量」と呼びます。
落下の慣性と重力が釣り合ってる状態
=無重量
で。
放物線飛行(パラボリックフライト)ではなく、まずガッシャン実験、垂直落下検証の方から。
よくエレベーターで例えますが、
- エレベーターの中に人が乗っているとき、エレベーターのワイヤーが切れたら人は浮くのか?
これ。
机上で考えると物理的には「浮きません」。
床に足がついたまま地面までエレベーターと一緒に落下する、が等価原理的には試験の答えです。
でも。
現実世界では「浮きます」。
ほんの少しですが浮くのです。
無重量状態に推移したとき、靴の裏のゴムと足の裏の肉、半月板、軟骨、椎間板などなど身体のあちこちが重力から解放され、バネのように伸びるから、です。
ほんの少しの力でも、無重量状態では影響が出やすいんです。
たとえば宇宙船内で人が無重力状態で浮いてるとき、指一本で壁に触っただけで反対方向に移動しちゃいます。
この弾力、弾性が重力による変形から生まれています。
正確には構造体にかかる外力に対する、「応力」「反力」です。
これが無重量になったとき解放されます。
ではミニ四駆はどうだろうか。
マスダンパーは硬いから弾力性がないよ!ってなるかもですが(^^;
乗っている部品、例えばFRP、ヒクオならアームシステム全体がマスダンの重みで「たわむ」んです。
見た目でわからないレベルで。
この「たわんでいる」物が元に戻ろうとするので、ガッシャンの垂直落下実験でもほんの少し、浮くわけです。
このたわみ、曲げモーメントと言いますが、大きくかける方法があります。
ヒクオです。
フロントでもリアでも、支点になってる場所にテンションがかかるように付けます。
バネやゴムを使ってもいいし、支柱のピンだけでテンションがかかるように乗せるなどでもいい。
ペタンとシャーシに乗せず、なんらかの手段で少し隙間を空けるような、そんな乗せ方がベストです。
リフターもこれと同じです。
通常時はヒクオユニットの重みで「しなって」いるけど、無重量状態になったときに元の状態に戻ろうとして、ユニットを押し上げます。
無重量なのでほんの少しの力で充分ですよ。
次にスロープでのジャンプ。
パラボリックフライト、放物線飛行での無重力状態を作るのと同等です。
前方向の慣性はとりあえず置いておいて。
(これも説明するとまたややこしいw)
上昇からの自由落下で考えます。
上昇時の加速度はマシンもマスダンも同じようにかかっているのですが。
無重力状態に一瞬でなる訳ではなく、頂点から降るときに無重量になります。
段階的に、だんだん無重量になる感じ。
この上昇させる力を考えます。
150gのミニ四駆でマスダンが50gだったとします。
これをジャンプの力を使って500gの力で上昇させていたと考えます。
150gを500gで持ち上げてるように見えますが、実は50gのマスダンを500gで、マシン本体の100gを500gで持ち上げています。
この上昇力も重力の影響で段階的に下がるわけですが、上昇力が500gから100gになったとき、マシンの上昇がほぼ停止します。(正確には慣性でもう少し上昇する)
でも、まだ50gのマスダンを上昇させる力はあるので、マシンを置いてマスダンだけ、さらに上昇します。
ここから自由落下に向かうわけですが、自由落下に向かうまでの時間にもタイムラグが生まれます。
つまり、マシンよりマスダンが遅れて落ちてくる。
=相対的にマスダンが上がり、ヒクオが開く
最初の反力の話が必要ない感じですw
これがあるからガッシャン実験はあまり意味ないよ、となるわけです。(話が違うから)
ガッシャンするなら上方向に放り上げる感じでやるといいのもこれが原因。
また、リフターは垂直落下より反力を大きく引き出すので、ここでもさらに浮かせるよう、役立つわけです。
あー、長かったw
ここまで説明しなきゃわからんっちゃわからんよね…
難しい話はあまりしたくないので、細かい部分は端折ってます(^^;
(相対性理論まで出すとえらいことになるw)
でもけっこうわかりやすく説明できたかしら?
ではでは。