速いモーター、ミニ四駆をやっていればみんな欲しいものです。
速くするためのいろんな慣らし方があり、各々でそれらを行っているかと思います。
比較するのは回転数、トルク、磁力。
この中で簡単に見ることができるのが回転数。
これは「Giri」などのソフトがあれば簡単に見ることができます。
そしてトルク。
トルクには2種類あるのですが、どちらにしろ目で見ることはできません。
走らせてみて、加速力があるのかなど、見るしか手段がないのですが。
最後に磁力で、専用ハードやスマホアプリで比較することができます。
磁力が高いと回転数は落ちてトルクが上がります。
ただ磁力を測るのって難しいです。
計器を当てる位置が1mm違うだけで結果変わるので安定しません。
この磁力を擬似的ですが簡単に計測する方法があります。
それは「重量」です。
モーターのパーツは基本同じ部品で作られているので、重量はさほど変わらないはずです。
でも磁石の大きさ、重さがそこそこ違います。
例えばモーター2つ、適当に空けポンで測ってみると。
0.1g違います。
磁石そのものだと…
適当にハイパーの磁石を取っておいてある中から選んで見ましたが、左のほうが大きいのがわかります。(影の高さでもわかりますかね?)
重量差はこれくらい。
1個でこの差なので、モーターの重量差は磁石であることがわかります。
磁力は面積x磁束密度(厚さ)なので、磁石が大きければ磁力は高いのです。
つまり、モーターの重量を測って、重たいモーターは磁石が大きい可能性高い=磁力がある=トルクがある可能性が高いです。
そして、実はもう1つ、モーター比較できる要素があります。
それが「消費電流」です。
モーター慣らし専用のハードウェアや、Thunderのような充電器のモーター慣らし機能の場合。
どれだけの電流を消費しているかを確認できます。
Thunderで見ていると、ダッシュ系モーターは0.50〜1.40Aくらいの消費電流であることが多いです。
(※実際のミニ四駆上だともう少し電流量多くなります)
この中で、「1.0A」を超える消費電力のモーターはかなり「強い」です。
例えば、
- 回転数28000rpmで消費電力0.8A
- 回転数28000rpmで消費電力1.0A
だった場合、当然トルクは2.のほうが強くなります。
これは慣らしの効果でこうなるのか、そもそも空けポンで消費電力高いものがあるのか。
いろいろあるんじゃないかと思います。
例:
- 慣らしでコミュテーターに接する部分が広くなり電流量が増える
- ブラシの金属部分の挟む力が高く、接点圧が高い
- コイルのエナメル線の巻きの品質が高い
- フェライト磁石の磁力が強い
- ブラシのサイズ差
他にも原因があるのかと思います。
上で開けた2つのロット違いのHDPを使ってちょっとテストしてみます。
ちょうど0.1g差がありましたね。
このモーターの慣らし前のスペックはこんな感じです。
モーター1:
モーター2:
モーター2の重いモーターのほうが消費電力が大きく、回転数が低いですね。
これを少し慣らしてみます。
簡単で行ける水慣らしで…慣らしてみたら両方のモーターが29500rpmになりましたw
消費電力は0.68Aと0.95Aと、やはり後者のほうが高くなっています。
これらで走らせてみた結果がこちらです。
モーター1:
モーター2:
短いコースでこれくらいの差なので、通常のコースだとさらに違うと思います。
つまり同じ回転数でも、消費電流が多く、重量の重い(磁力のある)モーターのほうが速いことがわかります。
ちなみに31000rpmで1.10Aのモーターがこれです。
同じハイパーでここまで違うとちょっと考えちゃいますよねw
いわゆる「当たりモーター」っていうのは、回転数だけでなくこのあたりも影響があるかと思います。
一度、見直してみる必要があるかもしれません。
Thunderを手に入れてから、すべてのモーターで電流量をチェックしているのですが、基本的には消費電力が高いモーターのほうが速いです。
(※たまに1.3Aとかすごいのがあるんですが、これは逆に遅いですw)
ただ問題もあって、電流消費量が多いということはすぐに電池が垂れます。
距離が長いコースでは回転数があって、消費電力は抑えめのモーターが向いている、ということになるかと。
例えばジャパンカップのような長いコースを電池交換なしで走る、アルカリ電池を使う、などの場合は燃費がよいモーターを選択するべきです。
今回のJCに使用したモーターはハイパーダッシュ、0.56Aで29500rpm出ている、省電力高回転モーターになってます。
なのでトルクはかなり弱いです。
レースによってのモーター選別の項目として、この辺りも注視していく必要があります。
モーター慣らしで選別する際、回転数が低い場合は弾く方が多いと思いますが、全部慣らしてから考えたほうがよさそうです。
そうとうな軸ブレしてるモーター以外であれば、使い道はあるはずです。
モーター管理、やはり奥が深いですね。
モーターには
- 速いモーター=回転数が高い
- 強いモーター=回転数とトルクと消費電力の塩梅がいい
があるということです。
回転数だけで見てちゃダメだぜ♪
ではでは。